「なんか入りを狙われてるみたいですごい気になる」
わたくしの師匠がとある方と演奏をした時の感想です。演奏の流れが出来上がりかけている時にいきなり竿を刺されるようなものでしょうか?
インタープレイという言葉があります。お互いがお互いの世界につかず離れずした結果、素晴らしい世界観が立ち上ってくる。即興演奏の理想形ですね。
映像的にいえばDNAの二重螺旋のような絡まりあいをイメージしますが、おそらくそんな優美な形にはなれなかったのでしょう。
自分にも身に覚えがあります。この曲はどういう景色なのか?どれくらいの時間が流れているのか?どのような色彩と温度なのか?はっきりとしたイメージでなくとも何となく感知できればその流れに逆らうことは無いように思います。
しかし全くと言って良いくらい感じられない曲(良い、悪いではなく)を感じないまま演奏するとき、流れに竿を刺すことがままあります。しかも、入りを狙いながら。
全く手が届かない曲というのはまあ、あるものです。景色も匂いも時間も感じられない曲。
そんなときはどうすべきか?
まー、弾かないことだと思います。
これが唯一できることかな。
で、感じるのを待つ。
感じられないまま曲が終わっちゃったら、そういう曲なんだな、と納得すること。
誰かが悪いわけではありません。
そういうものなんでしょう。
そういう自分の芯の場所を演奏で人前にさらけ出すこと。
そもそも演奏って、特に即興演奏ってそういうものでしょう?
多分・・・