古賀政男さんのこと

最近、ベースを習いに来ている生徒さんでとにかく演歌を愛している男性がいます。

結構なお年の方なんですが(80代中頃)音楽経験が豊富でコード理論や読譜なんかもかなりこなす方です。

 

ひたすら演歌のギター譜を持ち込んできて、これをベースでどうやって弾けば良いかを熱心に聞いてきます。ギター弾き語りで活動をしていたようです。

凄いなといつも感心してしまいます。

失礼ながらそのお年で新しい楽器に挑戦するなんて・・・・負けていられません。

 

で、やはり古賀メロディーなんですね。

 

その生徒さんは読譜などはこなすのですがやはりベースのラインをコードを読みつつリアルタイムで演奏するのはなかなか骨の折れることのようで、参考にしたいのでベースラインの譜面が欲しいとの要請を受けました。

で、耳コピをすることになりました。

「酒は涙か溜息か」と「誰が故郷を思わざる」の2曲。

 

ブルーズとかもそうなんですが、こういった血脈の濃い音楽に相対するときにいつも自分が使っているヨーロッパ音楽の和声理論で向かおうとすると面食らうことが多々あります。

まずもっていつものやり方が通用しない。

 

少し専門的になりますが2-5進行がない。当てはめようと思えば出来るのですがそうすると演歌ではなくなってしまう。(でも5はあります)

あとドミナントでいきなりスタートしたりする。

あと、(例えるならば)ブルーズのブルーノートに相当するようなテンションの効いた音使いがたまに現れる。

それに、あくまでもモードを優先する。メロディー至上主義と言いますか・・・、コードの使用方法がかなり特殊です。

そうなるとベースラインを作成すると言っても、慣例に沿って弾かなくてはならなくなるのでコード表記に頼れない。これまたいきなりユニゾンでメロディーを弾いたりしているので。

 

おそらくこの音楽に触れるための「常識」が存在するのでしょう。

その世界では当たり前に行われていること。説明をせずとも体に染みついている「常識」。

 

これは教えることはできません。

教えようとしたところで混乱するだけでしょう。

 

これが古賀政男さんの特殊性なのかそれとも演歌作曲の全般に当てはまることなのかもわかりません。

こういった地域の音楽の独自性とかの話をし始めると2~3年かかっても話しきれませんね。

分からないことだらけ。

自分はなんて無知なんだろう・・・。

 

なので今回はここで終わり。

 

とにかく古賀政男さんは衝撃的でしたし、とても良い経験になりました。