友人のトリオ演奏を見てきました。
とても小さい(すんません)場所で12~13人入れば押すな押すなの超満員になるくらいの大きさでした。
でも、私見としてはジャズの演奏なんてそんなもんだろうと思います。
60年代の熱いジャズの季節はもう過ぎた話なので。
3密回避でジャズクラブが東京都に休業に追い込まれたとき、そんなとこで密になるわけないだろ!って揶揄されてたくらいです。
そういったとても小さな(何回もすんません)場所で聞こえてくるピアノという楽器のダイナミズムは凄いものでして、正にピアノフォルテの名にふさわしいという感想を持ちました。
チェンバロと違い弦をハンマーで叩く事でピアノ(p)からフォルテ(f)まで自在に表現できる、というのが名前の由来。
なのでフルネームで言うと、ピアノフォルテ。
最近、ピアノはよくあるあのピアノ、ピアノフォルテと言うと古楽器のピアノフォルテ、と言い換えをするのが通例になっているようであります。
そのピアノフォルテは現代楽器のピアノより小ぶりで比較すると音量が小さく鍵盤も少ないです。
ベートーヴェンが活躍した時代はちょうど現代楽器の黎明期に当たるようで、晩年の作品になるほど鍵盤が増え、曲が現代的になっていきます。
古楽器は近年まで未完成の楽器との評価を受けがちでしたが作曲された当時の響きを再現する試みの中から徐々に見直され始め、今ではすっかりいちジャンルの地位を確立しています。
で、そのピアノ。
壁伝いの席にいたせいか凄い反響で耳が痛いくらい。はじめはPAしてるのかと思ったくらいでした。
音量のダイナミズムが大きい分、キータッチにとても微妙な加減が必要なんでしょうね。低音は地獄の足音のような、高音は天使の羽ばたきのようなキラキラした音が出る。
しかも10本の指で10個の音が出せる。足を使えばもっと出る。こんな楽器ほかにありません。
考えてみればいつも弾いているコントラバスなんて図体のわりに音量は出ないし、ピアノと比較しちゃえばダイナミズムも微々たるもの。
ちょっと多めの人数の中に混じったら埋もれちゃうような楽器です。
ピアノってすごいな。
これだけ日本人がこぞって弾こうとする楽器。
ちょっとずるいな、と思いました。羨ましい。
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